『仰せのままに、お嬢様』《完》

――その時だった。


遠くの路上から、何だか
大きな音が近づいたかと
思うと――

ものすごい速さで見覚えの
ある車が突進してきて、
校門の前にギュイインッと
マンガの効果音のような
音をあげて停まった。


「か、楓っ!」


もちろん車体でわかってた
けど、停車するやいなや
飛び出してきた楓さんを
見て、全身に安堵が広がる。


楓さんは初めて見る、怖いと
思えるほど真剣な顔で
あたし達に駆け寄ってきた。


「リリカ様、大丈夫ですか!?」


「だ、大丈夫……」


「楓さん、変な男が――!」


香奈枝が、楓さんが来た
方向とは反対の路上を
指差して叫ぶ。


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