『仰せのままに、お嬢様』《完》

そんなことを考えて、
あたしは迷った。


だけどその数秒後には、
香奈枝がさらに大きな声で
『うわっ』と叫ぶ。


「走り出したよぉっ!?」


「――――――!!」


電話しなかったことを後悔
しても、時すでに遅し。


一瞬のうちに男の人は走り
出し――明らかに、この
校門に近づいてきた。


あたしは香奈枝にしがみ
ついて、体を強張らせる。

声も出せずに男の人を凝視
してると、その人がとても
背の高い人で、サングラスを
してることに気づいた。

服装は黒のトレンチコート。
あ、怪しい……。


(どうしようっ……)


_