『仰せのままに、お嬢様』《完》

ここは女子大。生徒の彼氏が
少し離れた所で待ってるって
いうのは、よくあることだ。


数日間何もなかったし、
あたしはもう大丈夫だろう
って思ってた。

珍しく香奈枝の方がナーバスに
なってるなぁ、なんて
思ってたんだけど……。


「わっ。歩き出したっ」


「えっ!?」


ギョッとする。

だけどたしかに香奈枝の
言うとおり、男の人は
動き始めてた。

それも、こっちに向かって。


「ちょっ、どうしよ。
楓さんに電話する?」


「え? でも……」


まだこっちに向かって
きてるってだけだ。

待ち人が出てきたのかも
しれないし、それどころか
単にこの前を通り過ぎる
だけかもしれない。


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