『仰せのままに、お嬢様』《完》

「〇×美術館? なんだ、
そんな堅苦しいとこ行くの?」


「そ、そうですよ。
いけないですか?」


「休日に芸術に触れると
いうのは、大変有意義な
過ごし方と存じますが。

久賀様には少々、窮屈で
ございましょうか?」


「なにっ……!」


遼人さんが明らかにムッと
して背中を起こす。けど、
楓さんは素知らぬふりで
運転を続けた。


遼人さんはフンッと息を
吐き出して、


「別に駄目だなんて言ってない。

俺はお父様についてオーク
ションに何度も顔を出してる
からな。有名な絵画なんて
見慣れてるんだよ」


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