『仰せのままに、お嬢様』《完》

「だからだろうが。
20歳になれば、お前はもう
大人だ。

それに楓君の特訓で、その
頃には男嫌いも治っとるだろ。
少しもおかしい話じゃあるまい」


パパは当然のように言い
切って、なぜか胸を張る。


「は……いや、ちょっと
待ってよ……!

結婚なんてあたし、まだ……」


そんなの考えたこともなかった。


そりゃ、うちはこういう家系。

あたしは一人娘だし、いつか
そんなことも言われるのかな、
なんて考えたことはない
わけじゃない。


でも当のあたしはまだ恋愛
経験すらない、自分で言う
のも何だけど子供で……

そんな話はもっともっと先で、
今はまだ、全然縁遠い話だと
思ってたのに――…。


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