ああ、そういうことか。
言われてやっと理解する。


それに、連絡をとったって
ことは、携帯に電話くれて
たってこと?

……きっと遼人さんに
気を取られてて、
気づかなかったんだ。


それじゃあ、やっぱり楓は
悪くない。

そもそもいけないのは、
きっぱり断れないあたし
なんだもんね……。


「気にしないで、楓。

本当に、来てくれて
助かったから」


「リリカ様……」


「ほら、もうそんな顔しないで。

行こ? 車停めっぱなし
なんでしょ?」


「あ―――はい」



その後、そこで香奈枝と
別れて、あたしは楓さんと
二人、車を停めてある
通りまで歩いた。


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