『仰せのままに、お嬢様』《完》

「楓!」


楓さんが来てくれた。

そうわかった瞬間、緊張が
緩んで安心するのを、
全身で感じる。


「あいつ――来たか」


遼人さんが忌ま忌ましげに
舌打ちするのが聞こえた。

その数秒後には、楓さんは
あたしと香奈枝のすぐ近くに
たどり着いて、キッと遼人
さんを睨みつけ、


「久賀様、これはどういう
ことでございましょうか。

リリカ様の送迎は私が
行っていることは、貴方様も
ご存知のはずですが」


「ああ、知ってるよ。

だけど、君の運転する
窮屈な車より、俺の車の
方がリリカちゃんも数倍
楽しいんじゃないかと思って」


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