『仰せのままに、お嬢様』《完》

(困ったな……。何て言おう)


やっぱり遼人さんは苦手
だから、幹生君相手みたいに
気軽に会話できない。


言い淀んで困ってたら、
助け舟を出してくれたのは
楓さんだった。


楓さんはいきなりズイッと
あたしの前に出ると、遼人
さんに向かって、


「申し訳ございませんが、
リリカ様はまだお召しかえも
お済みでございません。

お話は後ほどでもよろしい
でしょうか?」


「え――――」


遼人さんは一瞬明らかに
ムッとした顔をした。

けど、一応紳士的にと
思ったのかすぐに表情を
取り繕って、


「――まぁそうだな。
これは失礼。

じゃあリリカちゃん、俺は
下で待ってるからね」


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