山口の顔を覗き見ると「う~ん」と難解な顔で唸っていた。


ゲームの語源であり戦術の基本であるポーカーフェイスを全く意識していない。


対する私は相も変わらず感情が伺い難い鉄仮面。


ゲームの最中でなくても常に笑わない。


7のペアを一組残して三枚のカードを交換する。


これで手札は――7とKのツーペア。


山口は二枚のカードを交換していた。


カードを引いた後の山口の顔は少しだけ喜となった表情。


恐らく二枚の内、一枚が目的のカードだったのだろう。


最後の手札交換。勿論、この手ではフルハウスしか狙う役はない。


一枚、カードを捨て、新たに一枚引く。



――引いたカードはクーローバーの5。残念、ツーペアのまま。