月下の踊り子





何だか一対の二の、一の方に立場に置かれたみたいで居心地が悪くなった。


しかしそれは別にして昼休みだったとは言え仕事中に(しかも囚人を)ナンパするな山口。


そう突っ込むべきか悩んだ。



「じゃあさ、羽鳥と舞歌ちゃんの出会いのきっかけは?」



同じ質問を山口は投げかける。



「私と舞歌か。えっと――」

「…………」

「…………」

「…………えっと」

「…………」

「忘れちゃったんですか!?」

「いや、違う。忘れてはいない。ただ言うなれば出会った日の出来事が漠然とし過ぎているんだ」

「そういうのを世間一般的に忘れたって言うんです!」

「あっ、思い出した。舞歌が踊っている現場を偶然、居合わせた私が目撃してしまったんだ」

「正解ですけど、そんな“家政婦は見た”。みたいに言わないで下さいよ」



いくつだよお前。