「何しに来たんだ?」
「何しにって、結構な言い方だな。もう一回目の見回りの時間は終わってるぞ。まぁ舞歌ちゃんと仲良く話してただろうとは思ってたけど、伝達事項があったんで来てみれば、お前が変な動きしてたんでな。何だったんだよさっきのは?」
「さっきの事は忘れろ」
「忘れろ?冗談。あんな笑いのタネそうそうあるもんか」
「――忘れろ」
「はい」
目で「忘れなければ貴様を死なす」と訴えた。
絶対強者の搾取の目。
流石に冗談半分でからかってる山口はそんな事で死にたくないのか、素直に頷いた。
そんな二人の遣り取りを先程まできょとんとした目で傍観していた第三者が「くすっ」と笑いを漏らす。
ツボに入ってしまったのか声を上げて笑ってしまった。
「ふ……ふふっ……羽鳥さんも山口さんもおかしい……」
「えーっ、そりゃないよ舞歌ちゃん。可笑しいのは俺の目の前にいるオジサンだけで俺は全然、可笑しくないよ」
「貴様を死なす」
「やらいでか」
カマーンと挑発する山口。
距離を20メートル以上離して挑発してもあまり格好が付くものでもない。
襲い掛かってきたら逃げる準備万全。

