月下の踊り子






「それじゃ、基本的なやつから行きますよ。いち、にっ、さん、いち、にっ、さん。ターン。ジャンプ」



舞歌は言葉通りに踊りを披露する。そして最後のジャンプから地上へ着地した瞬間―――。



「無理」

「即答~」

「何が基本的なやつだ?そんな難しいものただでさえ不器用な私に出来るはずないだろう」

「出来ますってば。君はやれば出来る子だって小学生の頃言われませんでした?」

「そんなの担任教師が生徒全員に言ってる言葉だろ?」

「羽鳥さんなら出来ます!」

「根拠は?」

「ありません!」



やけに自信たっぷりに言ってくれる。


やれやれと嘆息する。


期待に答えれるとは思えないのだが。


一息ついて先程までの舞歌の踊りを見様見真似で模写した。


きっと見る者が見れば爆笑ものの滑稽さだろうな。



「こ、こうか?」

「うん。うん。中々良い感じです」



舞歌が褒めてくれるがやはり照れが残る。


えっと、ここで回って――。