月下の踊り子






舞歌は薄いベッドの上で膝を抱えていた。


それはまるでカラス細工の儚い人形。いつもの笑顔はもうそこにはない。



「舞歌、牢の中に入っても良いか?」

「…………」



返事は無い。


大方それに関しては予測は付いていたベルトに掛かったマスターキーを取り出すと、鍵穴に差し込む。



「入るぞ」



再度、確認してから羽鳥はその牢の中に身を投じた。



「な、んで……」



舞歌が声を絞り出す。戸惑いを隠せず、動揺しきった顔で私の姿を眺めていた。



「羽鳥さんも、私を……」

「おいっ舞歌。何を言って――」

「どうして私ばっかりこんな目にっ。私、何も悪い事してないのに」

「舞歌」

「男の人って皆、それだけしか頭にないんですか。羽鳥さんもそんな男の人だったん――」

「舞歌っ!」