時間はあった。
これまでにないくらい色々な事を考え抜いた。
でも答えらしきものなんて何も見つからなくて。
だから、出来ると言えばこれくらいしかなかった。
作業中の舞歌に近寄る。
私の姿に気付いた舞歌は気まずそうに視線を背けてしまった。
その態度に一瞬、今から起こす行動に戸惑いを感じたがそれでも舞歌にだけ聞こえるように囁いた。
「舞歌。私は今夜、夜勤がある。舞歌の所に行くからな」
「…………」
舞歌は答えない。
元々、逢う約束なんてした事がなかった。
常に一方通行。
だが、ここで舞歌に「嫌です」と断られなかっただけ救いがあるだろう。
言うべき事は伝え終え、伏せ目がちに舞歌のもとを立ち去った。

