「まぁその時のお前の行動は正解だったと思うよ。
でも人間、辛い時に優しくされると自分が惨めに思えてくる奴もいるだろうからさ。
舞歌ちゃんには今まで通り普通に接してやれよ。今は不安定だろうけど時間がどうにかしてくれるさ」
「それが簡単に出来たら良いんだけどな」
「だよなぁ。俺もそんな経験ないからさ。巧いアドバイスは言えないよ」
溜息しか出ない。
自分がどうするべきか、こんな事を話せるのは山口ぐらいのものだったのだが当ては一瞬にして潰えた。
「しかしなぁお前も変わったな」
「言うな。それは自覚しているし、私自身その事はあまり快く思ってないんだ」
「何でさ?人間らしくなって良い傾向だと思うぜ」
「人間らしくなってって、一体お前、昔の私をどんな風に見ていたんだ?」
「人間っぽい人間」
山口は言葉を選ぶ事なく率直な感想を述べる。
人間っぽい人間。その表現は確かに的を獲ている。

