感傷は起きなかった。
その涙が宝石の様に輝いていて、あまりの綺麗さに心を奪われてしまったから。
電気が通りやすくする為に水浸しにしたスポンジを舞歌の頭の上に乗せると、黒布を被せた。
その上から電気の通る機械を宛がう。
「今まで本当にありがとう舞歌」
そう言って、舞歌からゆっくりと離れ、電気椅子の横にあるスイッチの場所まで向かう。
このスイッチを入れれば舞歌の全てを終わらせる事が出来る。
舞歌はその役目を私に託した。
その本当の意味が今なら理解出来る。
だから私は躊躇いと言う感情を押し退けてスイッチを押した――。

