舞歌の緊張が徐々に解れ、頬の力が抜けていく。
伝えたい事を言えるのはこの瞬間が本当の最後。
だから私は想いの全てを目の前の少女に伝える事にした。
どんなにその言葉が私に似合っていなくて、滑稽でも構わない。
それが私の本心なのだから。
「舞歌。私もお前には本当に感謝している。お前と出会った事で私は人の優しさに触れた。お前と出会った事で私は人を愛しいと思った。お前にはどれだけ感謝してもしきれない」
「羽鳥さん……。それは、私も同じ事ですよ。私も羽鳥さんと出会ってからお母さんとは違った意味で人を愛しいと思いました。私がこうして死を目前にしても落ち着いていられるのは羽鳥さん、貴方の存在があったからです」
「舞歌……」
「さよなら羽鳥さん。私は誰よりも貴方を愛しています」
にっこりと微笑む舞歌の瞳に一滴の涙が伝う。

