扉が開く。
舞歌が二人の看守から連れられて部屋にやって来た。
ゆっくりと一歩。また一歩を踏みしめ、死刑台である電気椅子に近付いて行く。
閉じた瞳の奥で彼女は今、何を思っているのだろう。
私の横を通り過ぎる時、舞歌は微かに笑みを浮かべた。
槍で心臓を突き刺された感覚。
いつもは見るだけで幸せになれるその笑顔も今はただ痛々しかった。
舞歌へと伸ばそうとした手をぐっと堪える。
出来るならば今すぐ舞歌を抱きしめたい。
安心させてやりたい。
しかしそんな事は出来るはずもなく、羽鳥は堪え続けた。
舞歌は電気椅子に座ると、すぐさま手枷をされた。
これで全ての囚人はチェックメイト。
逃げ場のない状況が完成される。
舞歌の緊張した面持ちは変わらない。
当然だろう。
今から自分の身に降り注ぐ出来事を考えれば恐怖のあまり泣き喚いたり、トチ狂ったりしてもおかしくはない。
教科書通りの形式ばった懺悔の時間が始まる。
舞歌は重い口をゆっくりと開いた。

