「違うだろ?」
「え」
「約束を盾にするな。それじゃ舞歌ちゃんがあまりにも可哀相だ。
舞歌ちゃんはお前の手でしか死にたくないと思ったから頼んだに違いない。
それなのにお前はどうして素直にその頼みを受け入れない」
「簡単に言うな。いくら舞歌の頼みでも私の手で自分を殺して下さいと言われて、はい分かりました。なんて素直に受け入れられるはずがないだろう」
「じゃあ仮に死刑執行の番を代わらず俺がやったとしよう。
当人の舞歌ちゃんは執行時は黒布を被せられてるから誰が電気椅子のスイッチを入れたかなんて分からないさ。
でも、それでお前は納得出来るか?最後の最後で舞歌ちゃんと関わったのが自分じゃなくて俺で良いのか?」
山口の言葉で目が覚めた。
そうだ。舞歌には私しかいないんだ。
「…………すまなかった。山口。もう一度、改めて頼む。死刑執行の番を私にやらせてくれ」
「ああ、分かったよ。それじゃ行こうぜ」

