頭を抱えていると山口が部屋に入ってきた。
「そろそろ時間だぜ」と呼び掛けてくる。
山口に言わなければならない事があった。
何を隠そう香川舞歌の本来の死刑執行人はこの山口なのだから。
その番を変わってもらわなければ舞歌との約束を果たせない。
「……山口。すまないが死刑執行の番を変わってくれないか」
「あ、ああ。別に良いけど自分から辛い役を買って出るなんてどういう風の吹き回しだ?」
「舞歌との約束なんだ。私が舞歌を殺してやるという――」
「――そうか。でも、お前に舞歌ちゃんを殺す事が出来るのか?いざとなって出来ませんでしたなんて通用しないぞ」
「分かってるさ。でもやらなければならないんだ。それが舞歌との約束だから」
こつんと軽く額を殴られる。

