いよいよ舞台は終幕を迎える。
視線の先にあるのは虚空。
数日前の漠然とした不安は確実に実感出来る恐怖へと変貌していた。
既に舞歌は牢の中にはいない。
死刑執行の部屋へと移されその時を待っているはずだ。
残り一時間程度で舞歌はこの世界と永遠の別れを告げる事となる。
私は苛立ちに任せて物に当たるのを抑止するのが精一杯だった。
舞歌の前で自分が舞歌を殺すと約束しておきながら今の自分はどうだ?
手から浮き出る発汗の量が尋常ではない。
一秒たりとも静止する事が出来ない震え。
私は本当に舞歌を殺せるのか――。

