大好きな踊りの最後の舞台は羽鳥さんの前で踊れた。それに――。
唇で塞がれた私の唇。甘い吐息が漏れる。
こうやって羽鳥さんと最後の口付けも交わす事が出来た。
短かったけれど本当に私は幸せな人生を送れたと思う。
そして私達は座り込んで格子の外で繰り広げられる雪達の踊りを眺めた。
幻想的な白銀の舞台で踊る冬の踊り子。
寄り添うように彼の肩に頭を預ける。
「――綺麗ですね」
「――ああ、そうだな」
「――もう少しこのままで良いですか」
「――好きにすると良いさ」
ゆっくりと瞳を閉じて、幸せに浸る。
やがて二人の間に無言の世界が訪れた。
気まずさなど欠片もない。
言葉など要らないとはよく言ったものだ。
この瞬間がまさしくそれだと思う。
その無言の世界が訪れて、何分くらい経っただろうか。
意識が朦朧とする。
安堵感に包まれたまま吸い寄せられるように私は眠りの世界へと陥ってしまった。
途切れ途切れの意識で確認出来たのは羽鳥さんが私の身体を抱え上げてベッドに運んでくれた事と、その後、優しく私の頭を撫でて去って行った後姿だった。
☆間奏了☆

