月下の踊り子




☆間奏☆



ぱちぱちぱちぱち。


羽鳥さんから贈られる小さな拍手。


これで私の最後の舞台は終了した。


例えばそれは音楽アーティストの引退ライブ。


ずっと昔に見たブラウン管の中のアーティストが涙を流しながら大勢のお客さんに手を振っていた。


今ならば歌が歌えなくなるまで止め処なく溢れ出していたその涙に深く共感出来る。


だって、ほらっ今の私も泣いているのだから――。



「あり、がとう……ございました」



お辞儀で下を向いてしまった所為か堤防は流水を抑えきれず、涙が溢れ出てきた。


顔が上げられない。


今の私の顔はきっと皺くちゃになっている。


そんな顔を羽鳥さんに見せられるはずもなかった。