「好きな人の手で最後を迎えるなんてロマンチックじゃないですか」
「私はそうは思わない。舞歌、それは残された者の悲しみを考慮していないあまりにも残酷な願いだ」
「嫌、なんです……」
「何がだ?」
「嫌なんです。羽鳥さん以外の人から殺されるなんて、そんなの私には耐えられない」
「舞歌……」
畏怖嫌厭していた死神はどうやら私自身になりそうだ。
「……分かった」
私は頷いた。
それが舞歌の願いだからではない。
二人だけの世界の幕に第三者を介入させたくなかったから。
言うなれば独占欲の強さ故か。
舞歌は私から身を離すと、ぺこりと深く丁寧なお辞儀をした。
「ありがとうございます。これで泣き言は終わりです。羽鳥さん、私の最後のお客さんになってくれますか?」
「光栄だな」
牢の中では踊りにくいだろうと思って一度牢から出る事にした。

