初めて舞歌の本音を聞く事が出来る。
彼女の笑顔は必ず儚さを兼ね備え、どこか脆さを感じさせる部分があった。
よく考えれば簡単に気付けるはずだったのに。
後悔の鐘はいつまでも鳴り止まない。
「すみません。少し愚痴を言っちゃって良いですか?」
私は無言で頷いた。
「私、あの人を殺した時、本当に怖かったんです。ただ目の前が真っ白になって何が起きてるのかさえ解らなくなるくらいに」
「…………」
「血塗れで倒れてるの人を見て何度も吐きました。私、これからどうなるんだろう?人を殺したって言うのにそんな事ばかり考えてました。
でも逃げる事は出来ませんでした。
ちゃんと罪を償おうと思ったからです。
そして綺麗な体になってから皆に私の踊りを見てもらおうって思ったんです。
結局、その願いは叶わなくなっちゃいました。
でも悲しい顔なんかしたって非生産的なだけじゃないですか。だから私は最後まで笑っていようって……」
耐え切れず私は舞歌を抱きしめる力をより一層強めた。

