月下の踊り子



接していけば自然にその人を段々と知る事が出来るだろう。


私は敢えて積極的に人を知ろうとしないだけで、それが悪い事だとは思っていない。


ただ私には飽くなき探究心というものが存在しないだけ。


舞歌は両手で顔を塞いで蹲っている。



「えーんえーん、羽鳥さんが私を弄んだー」

「…………」



ちらりと舞歌が私を見る。



「えーん、えーん」

「…………」



また、ちらりと見る。



「えーん、えーん」

「…………はぁ。なぁ舞歌」



嘆息する。