見ると舞歌は律儀にベッドの上に正座をして待っていた。 私の姿を見つけると、すぐさま頬を緩ます。 待っていましたとばかりにトコトコと境界線である牢のギリギリまでやってきた。 断りもなくマスターキーで牢を開け、その中へと侵入する。 深く溜息。さて、困った。何を話して良いのやら。 いつもは自然に出てくる言葉が今夜は姿を隠して、そのもどかしさに唇を噛む。 互いに見詰め合ったまま、しばしの沈黙。 先に言葉を放ったのは苦笑いを浮かべた舞歌だった。