「桐谷ぃ!小嶋ぁ!戻って来なさい!」
「…だそうだ、小嶋サン」
「…のようですね、桐谷サン」
顔を見合わせて、俺たちは笑った。
「「行ってきまぁす!」」
「えっ?あっ、おい!」
拍子抜けしたような先公の顔を見て、俺たちは高らかに笑った。
そして、二人を乗せた自転車は、スィーと校門を抜けた。
「あー、腹いてぇ」
「先生の顔、最高だったね」
「「……ぶはッ」」
俺たちは同時に吹き出し、また笑った。
道行く人たちが、そんな俺たちを怪訝そうな目で見つめてくる。
「陽ちゃん!」
「あ?」
「楽しいね!」
「…あぁ」
ビュウビュウと耳元で唸る風のなかでも、日和の声はよく聞こえる。
ま、俺の耳が日和の声を聞き逃さないようにしてるんだろな。

