【短編】虹の端っこの、キミ。





ほんと変わんねぇな。


日和は小さい時から虹が出ると一目散に駆け出す。


その目的はいつも同じで。




『あのね、虹の端っこには宝物があるんだって』




輝くような笑顔でそう言うんだ。


この年にもなってこんなことを言うなんてあほらしいが。




「陽ちゃん!鍵、鍵!」


「分かってるって」




それ以上に愛おしく思うんだ。


…あーぁ。


俺、ベタ惚れじゃねぇか。




「ちゃんと掴まってろよ」


「ラジャー!」


「…ったく」




ゆっくりとペダルを漕ぎ出すと、俺の体に抱きついている日和の腕に力が入った。


自分の腰に回された細い腕を見て、小さく笑った。




「大丈夫か?日和」


「平気だよ!」




そこは、「怖いよう〜…」とでも言ってくれ。