モノクロ

じっくりと闇色に染まる私の魂(こころ)が、あたまの中を蝕んでく。

あの子が、囁きかけるみたいに。



(――遊びましょう、だっけ……。)


私を散々壊してきた、あの子の口癖は。

大きく深呼吸をして、ぐっと両手の拳を握りしめる。


少し落ち着けば、決意と共にある感情が漠然と迫り上げるようにして恐怖をおしのけた。


――負けたく、ない。

あんな卑怯な手に。もうひとりの、私に。


「……、鹿島……?」


私を胸に抱いた透夜が、私の異変に気付いて声をかけて来た。

頭を押さえる透夜の手を解してゆっくりと下へ下ろす。

顔を上げれば、少しだけ驚いた様子で私を見つめていた。


「あのね……。私、負けたくないんだ。」


「………え、」


「怖いだとか、逃げたいだとか……思ったりもしたけど。思ってた、ていうか思うけど。でも、それより負けたくないの。だって私負けず嫌いだから。」


透夜の手を握りしめる。


「負けないよ、私。」


怖くても、負けない。

それは、大好きな尊敬する兄の口癖。


あの人を巻き込まない為に、あの人達と、皆と生きる為に。

負けない。戦ってやる。


「(………、へぇ)」


「だから、教えて欲しい。裏界の事も、あの子の事も。」