「ま、待って・・・」 「待って!」って言おうとしたのに、声が小さくなり、碓氷には届かなかった。 私が、碓氷に酷い事をしたから。 私が、碓氷をあんな顔にさせたから。 私が、恋人という自覚がなかったから。 こんな私が、碓氷に「待って!」なんて言う権利はない。 恋人なのに・・・大切な人なのに・・・ 酷い事をした。傷つけてしまった。 私の頬に涙が流れたのと同時に、空も泣き始めた。