藍の要望通りの格好になった美麓はカメラの前に立たされる。

「その赤いソファー使ってポーズとってみて。」
爽はモデルでもない美麓に無理難題を押しつける。

爽は美麓をモデルだと思い込んでいる。

負けず嫌いな美麓はやってやろうじゃないかと自分がモデルとう事を言い聞かせて赤いソファーに座る。

「おし!綺麗に撮るね。」
爽は急に真剣な眼差しになりカメラのシャッターを押す。

美麓は一回一回不自然にならないポーズを直感的にしていく。

「ラスト一枚。最高の笑顔で」

カシャッ


最後の一枚のシャッター音が鳴り止むと爽はカメラをコトンと静かに置いた。

「あの…」
美麓は困惑している。
プロのカメラマンだから自分に文句つけるんじゃないかと思っていた。

「最高だよっ!君どこの事務所??」

「…一般人です……」

美麓はあははと笑う。

「……え…本当に…??」


「爽さん。美麓チャンは一般人で
俺が連れてきた藍の要望通りの子や。
だから事務所にも入ってないし、モデルでもあらへん」
大和が部屋に入ってきて爽にいう。

爽は驚く。