昔の私も
そうだったけど、
夏休みの宿題は
必ず八月に入ってから
やるのだ。

子供の頃の
娘たちもそうだったが
孫たちもそうらしい。

あの海の日から
十日程経ち
夏休みも
後二週間くらいに
なった頃に
宿題を始めるのだ。

「匡さん、
此処教えて」

孫たちは私たちを
"おじいちゃん"
"おばあちゃん"と呼ばない

前に聴いたら
娘たちが言ったらしい。

話しが逸れたが
聞いての通り、
孫たちは今
マー君に
教えてもらいながら
必死で宿題をやっている。

「だから、宿題は
早めに
終わらせなさいって
小学生の時から
言ってるでしょうが」

娘たちが
呆れた様子で
孫たちを叱る。

『あんただって、
子供の頃は何時だって
宿題は
後回しだったじゃない』

子供というのは
そういうものなのだ。

「言い返せないのが
悔しいわ」

そう言って
子供部屋から
出て行った。

「蓮さん
ありがとう」

『どういたしまして』

私も子供部屋を出た。

『何時まで
拗ねてるねよ』

上の娘の家だが
部屋の場所は
把握している。

「母さん

別に拗ねちゃ
いないわよ」

プイっと
そっぽを向くのは
拗ねてる証拠だけど
これ以上いうと
口も聞いてくれなく
なりそうだから
黙っておいた。

『分かったから
リビングに戻ろう』

それから、
二人で戻り
夕方、家に
帰る頃には
孫たちの宿題も
残り僅かとなっていた。

流石教師、
子供たちに
勉強させるコツを
知っているのだろう。