「あんた達ブスなんて、空くんに相手にされないから!!」
思いっきり突き飛ばしされた。
私なんもしてないのに…。
「どけよ」
低いドスがきいた声。前をみなくてもわかる暗黒のオーラ。
「え?」
「そこをどけって言ってんだよ」
「空くん…っ」
声の主は空だった。
こんなに低い空の声、聞いたことない。
顔つきもいつもの空じゃない。
「聞こえてんのかよ。どけっつってんだよ!」
ビクッ
体を小さく震わせる女の子に冷たく言い放った。
「こいつらがブス?お前のほうがよっぽどブスだよ」
空が女の子にこんなこと言うの、初めて見た…。
「うっ…、っわあぁぁん!!」
女の子は泣きながらどこかへと去って行ってしまった。
あまりの冷たい一言にファンの子達もクラスメートも呆然としている。
もちろん…私だって。
空は私の方へと視線を移し、手をさしのべてくれた。

