「あーぁ…。また空囲まれてるよ」
「ほんっとモテモテだねぇ、空くん♪」
そう。
空にはファンクラブができるくらいだった。
最初の頃は転校してきたばかりで空のことを知らない生徒が多かったけど、今ではすっかり有名人だ。
だからファンの前でちょっとでも女子が話かければ…
「空~、毎日おつかれー」
―キッ―
と、このように睨まれてしまう。
「ほー。相変わらずファン達は怖いねぇ。てか、暑苦しい」
「優香ぁ、そんな大きな声で本当のこと言ってたら聞こえちゃうよぉ?」
ヒナは意外と恐ろしいことを言う。
2人とも、やめい。
そんなことを思っているうちに
ファンの子がこっちへ向かってきた。
私達を思いっきり睨み、口を開く。
「あんた達、さっき私達の悪口言ってたでしょ??」
「なんのことー?」
優香が挑発的に言う。
「とぼけてんじゃないわよっ!暑苦しいとか言ってたでしょ!?」
「あー、あれねぇ。悪口じゃないわよ。本当のことを言っただけ」
「なっ…なんですってぇ!?」
顔がみるみる鬼の形相になっていくよ…
そこにヒナが割って入った。
「はいはい、喧嘩はやめよ~よぉ。ファンさん♪そんなお化けみたいな顔してたら嫌われちゃうよっ♪」
火に油だ…
「おっ…おば、おばけぇ!!?」

