ヒロくんの誕生日、

一緒に居るはずだった
0時…


私はヒロくんに
メールを送った。


『誕生日おめでとう。』


返事は……

来なかった。




カラオケに居た私は

紗江の胸で泣いた。


「そんなに好きなら、
まずバイト探しなよ…

頑張らないと、
何も変わらないんじゃない?」

紗江はそう言って
かばんから仕事情報紙を
取り出した。

「紗江思うんだけど、
仕事見付からないのは
結菜が選んでるからだよ。

なんでもいいじゃん?

居酒屋だって毎日じゃなきゃ
ヒロくんに会えるじゃん。」

紗江はわざわざ私のために
雑誌を買っておいてくれて…

しかもその雑誌には
ところどころ赤い丸が
ついていた。

「明日これ片っ端から
電話するよ!!!!」

「紗江…………」


紗江の優しさが

本当に嬉しかった。


私、もう一回頑張ってみよう


そう思えた。