今までも、これからも。

「廉、どこに行くの?」

私はトコトコ廉の横を歩きながら問いかけた

「今日は電車に乗って
 
 K駅の近くのショッピングモールに行こうと思ってるけど

 依織はどこか行きたいトコ...あるか?」

特に無いなぁ...

一緒にどこかに行くってだけで

嬉しくなってそんなの全然考えてなかった。

「私は廉の行きたいトコについて行くよ。」

「ん、分かった。

 行きたい店見つけたら言えよ?」

「うん!」

ホント幸せだ...!

嬉しくて自然と笑顔になる!

付き合ったらこんなのかな?

思えばコレってデートって名前だけで

廉にしては『友達と遊びに行く』

そんな気持ちだよね...

私たちは幼馴染なんだよなぁ

「いーおーりっ!」

「ハイ!?」

「何ボーっとしてんだ?」

「う...ううん!

 考え事してただけ!」

そんな事考えたって仕方ない!

今は楽しまなきゃ損だよね!

二人で電車にガタゴト揺られながら

何が欲しいとか

服いいのあるかなとか

そんな一つ一つの話が嬉しい。

楽しい時間は

過ぎるのが早いというのは本当で

すぐにK駅に着いてしまう

でもまだ廉と一緒にいれると思うと

また嬉しくなって

スキップしてしまいそうな衝動を抑えて

ショッピングモールに向かって歩きだす

「休日だから結構人いるね」

私たちはなるべく

人通りの少ない道を歩くけど

それでもやっぱり人は多い

「迷子になるなよ?」

「分かってる!」

また子ども扱い!

くっそぉ...

どうしたら...

「ほーらっ!

 またボーっとしてる!」

え?

「廉...手...」

気づけば私の右手は

しっかりと廉の左手に握られていた

「これで迷子にならないだろ?」

そう言って可愛くニカッっと笑う廉

それは幼馴染としてだから

と思うと少し胸が苦しくなったけど

手を握れて嬉しいという気持ちが上回ったから

今は笑顔で廉の手を握っておこう


*