今までも、これからも。

ショッピングモールに付いても

人が多いから手は自然と握られたまま。

そんな些細な事も

私にとって嬉しすぎる事だった。

「あっ!

 あの服いいな」

色んなお店を順番に回って

これが似合うとか

こっちの方がいいとか

そんな他愛のない話。

それでも私にとっては

すごく幸せな話。

「もう1時だね」

「そろそろお腹すいたな。

 何か食べに行くか」

「うん」

私たちは近くのレストランに入る

「依織は何食べたい?」

「んー」

どうしよ...

どれも美味しそうだよ!

明太子スパゲッティも食べたいし

ミートソーススパゲッティもいいなぁ...

私はメニューとにらめっこ

「ホンット依織は昔から優柔不断だな」

「しかたないじゃん!」

また子ども扱いして!

「ど・ち・ら・に・し・よ・う・か・な...」

私の指はミートソーススパゲッティで止まる

でも

「やっぱ明太子スパゲッティ」

「ハハッ!

 やっぱあまのじゃくだな」

また笑う!

廉ばっかり私の事知ってるみたいで

何だかムカムカっていうか...

こう...モヤモヤする?

「怒るなって

 じゃ、俺はミートソーススパゲッティにしよ」

え?

私はビックリして顔を上げる

「どうした?」

「う...ううん!」

廉...

ミートスパゲッティ

嫌いじゃなかったっけ...?

「依織、半分こしようぜ?

 そうしたら依織、

 好きな物どっちも食べれるだろ?」

そう言って優しく笑いかけてくれる廉

「....ちょっとトイレ行ってくる」

「あ、ああ」

私はそんな笑顔に耐えられるはずがなかった...


*