炭坑の子供たち(1)

 じいさんが、ニワトリの首をねじり始めると

見物の子供達が、口々に言う。

「可哀そうや」

「そうや、そうや」

すると、じいさんは反論する。

「バカ、ニワトリは動く野菜たい、ばってん、菜っ葉みたいに、1わ2わと数えろうが」

仮死状態にしてから、羽根をむしり

「血が固まったら、肉がおいしゅうないたい」

と、のどを切って、逆さに持ち上げ

そこからしたたる血を、コップに取りながら、ニヤリと不気味に笑って

「これが、さばくモンの特権たい、これを飲むと、10年寿命が延びるばい」

次に、残ったウブ毛を火であぶってから

いよいよ解体ショーの始まりである。

腹を開けると、先ずドリと言う赤い内臓が見える。

「トリは食ってもドリ食うな」

と、言いながら、それをつぶさない様に、慎重に取り除く

「いいか、これを破ってしもうたら、肉が臭そうなって食われんぞ」

さばいても、何一つ捨てるとこがない。

内臓から、出来かけた玉子、更にはガラ

しいて捨てると言えば、むしった羽根だけだが

その羽根も、子供達の、弓矢の矢に使われる。