炭坑の子供たち(1)

ちなみに、我が町では、外野手の事を、ひらいたんと呼んだ。

大体、外野を守らされるのは、ヘタクソが多く

飛んで来た打球を取れずに、拾ってばかりいるので

ボタ山から石炭を拾い集める人々、ひらいたんと同じにされた。

みんな、グローブが欲しくてたまらず。

町に出るたびに、スポーツ用品店に行っては

ガラス越しに、グローブをまじまじと眺め

「おいちゃん、あのグローブはなんぼ?」

と、買いもしないのに、値段を尋ね

「やっぱり、ワセリンをぬった方が、長持ちするやろうね」

などと、専門的な事を、知ったか振りして言っていた。