蝉時雨




「‥‥兄貴。
そろそろ行かないと時間
やべぇんじゃねーの?」


私達の様子を黙って見てた京介が口を開く。






「ん?おお!!そうだな。
じゃあおばさん、この辺で」

「ええ。
うちにもぜひ彼女連れていらっしゃいね」


「もうっ、ママ!
そんなこと言わなくていいから!!
涼ちゃん、行こっ」



涼ちゃんの腕を引っ張って車へと向かう。

これ以上ママに余計なこと言われたら
たまったもんじゃない。





そうして行ってらっしゃいと
見送るママに手を振り返して
私逹はようやく圭織の待つ駅へと出発した。 

目的地に着くまでは
ばっちりキープした助手席で
涼ちゃんとずっと話しをした。