蝉時雨



ふと視線を感じて、
はっとして涼ちゃんを見ると
私達をみてにこにこしてる。




「お前らほんと仲いいよなぁ」

「どこが!?そんなことないよっ」





涼ちゃんに変な誤解はされたくない。
でもそのにこにこ顔は反則だ
胸がきゅんってする。







「相変わらずだなあ。
でも、もう菜々子も京介も高校生か」

「オヤジくせぇ言い方……っ痛ぇ!!」


そう言った京介の足を思いっきりつねる。




「オヤジって……。
でもまじで高校とか懐かしいなー!!
バカばっかりやってたな。
1週間でいいから戻りてーよ」


「…………別に…普通だよ…」



楽しそうに笑う涼ちゃんに
曖昧に返事を返す。





涼ちゃんにこういう話されるのは
あんまり好きじゃない。
子供扱いされてる感じがすごくいやだ。