蝉時雨




「‥‥あ゙?何だよ」

「ぶぇーつにぃー」

「はあ?
つかなんでこっち座ってんの?
兄貴の横じゃなくていいのかよ」



そう言ってまた携帯をいじりだした京介に
私は小声で返事をする。





「別に好きでここに
座ってるんじゃないもん」

「じゃあ兄貴んとこ行けよ」

「そうしたいよ!!
そうしたいけど、でも‥‥」

「でも、何だよ?」

「‥‥‥‥‥」





そりゃあ、涼ちゃんの横に座って
思いっきりくっつきたい。





でも




でも―‥‥!!!