蝉時雨



驚きのあまりしばらくは騒いでいたけど、
答えてもらったものの
そこからの会話が思いつかなくて
沈黙が続く。

京介も恥ずかしいのか少し気まずそうで、
視線を逸らして飲み物を口に運ぶ。







「‥‥‥‥‥」


「‥‥‥‥‥」


「‥‥‥ねぇ」


「‥‥何だよ」




気恥ずかしくて足を地面につけたまま、
ぶらんこを前後に漕ぐ。

きこきこと鳴る鎖の音が小さく響く。







「‥‥‥あの、さ」


「だから何だよ」











「キス‥‥‥してみない?」