蝉時雨



10分ほどの距離は短く
あっと言う間に目的地に辿り着いた。

わくわくしながらインターホンを押す。




『…はい?』



しばらくして機械越しに
典子おばちゃんの声がする。





「おはよう、典子おばちゃん!
菜々子だよ」

『あら、菜々ちゃん!!
鍵開いてるから入っておいで』

「おじゃましまーす」




そう言って、もうすっかり見慣れた玄関に
足を踏み入れる。


第二の我が家みたいなものだから
玄関先には菜々子の分の
クロックスまで常備してある程だ。