天神学園の奇怪な面々Ⅴ

可畏は手を止めない。

動きにくいブカブカの男子制服をものともせず。

「あはぁっ!」

笑いながら襲い掛かってくる。

顔面目掛けて右の拳!

しゃがんでかわす龍娘。

しかし可畏はその拳を開いて龍娘の髪の毛を掴んで引き寄せると。

「うぉっ!」

龍娘の顔面に膝蹴り!

咄嗟に防御するものの、女性の顔面狙いの攻撃を続けるとは。

女性の顔を傷つけるという事は、非常に無慈悲な行為とされる。

そんな攻撃に全く迷いを見せない。

「何言ってるのよ」

可畏がペロリと舌なめずりする。

「どこの神様の話してるの?羅刹天は破壊と滅亡の神様よ?」

龍娘の腰に両手を回し、プロレスで言うパワーボムの体勢になって。

「慈悲を求めるならアスラ母上か迦楼羅姉者になさいな!」

可畏は龍娘を頭から床に叩きつけようとする!