天神学園の奇怪な面々Ⅴ

可畏の制服を身につけている以上、信じ難いが認めるしかない。

彼女は可畏だ。

先程までの野性味溢れる大男のもう一つの姿。

確かに神の中には性別さえも曖昧な完全無欠の姿として描かれている者も数多く…。

「!!」

そんな思考の間に割って入ってきたのは、可畏の目を見張るような動き。

龍娘の『活歩』をも上回るような瞬間移動から。

「くっ!」

躊躇も逡巡もない、二本貫手(目突き)!

抜群の反射神経で上体をのけ反らせ、龍娘は瞳の光を失う事だけは辛うじて回避した。

「わぁお♪リアルマトリクス避け♪」

手を叩いて喜ぶ可畏。

無邪気に楽しんでいるように見えるが、実際はそれどころではない。

躊躇いもなく目を潰しに来るとは。

女性化した可畏の残忍さが垣間見えた。