「本当は…可畏君だったかしら…彼の後に私の出番の予定だったんだけれど…ほら、私って時間にルーズじゃないですか…随分遅刻しちゃったわ…」

そう言って舞白は無垢な微笑みを浮かべる。

夕闇に包まれ始める校舎内。

窓から差し込む赤い日差しが、どういう訳か血の色に見えた。

「……次の相手はお前か?因幡」

疲労を押し隠したまま、龍娘は立ち上がった。