学校の中を歩いていても、人の気配は全くしない。 でも『助けて』という声はまだ聞こえている。 本当に幽霊だとしたらどうしたらいいのか、真子は怖くてしょうがない。 梓の腕にしがみついたままだ。 「幽…霊じゃないですよね?」 「それはわからない。 悪霊は大丈夫なのに幽霊はダメなのか?」 「悪霊は一応正体はわかるじゃないですか」 「いいかげん腕を離してくれ」 真子は泣きそうになっていた。