「宮城島さん!」 風は一向に吹き止まない。 前に進めない。 真子はその場で彼女に話しかけた。 「宮城島さん。 その気持ちわかりますどんなに辛い思いをしていたのか。 でも、ちょっとずつでいいんです。 自分の気持ちがはっきりしてからでいいと思います。 宮城島さんは一歩ずつ前に進めば理想の自分に近づけると思いますよ。 自分を信じてください」 風に負けないように大声で言った。 すると風の音が次第に小さくなった。 風の力が弱くなった。 真子の言葉が伝わったのか。 そして風は吹き止んだ。